名古屋工業大学 基礎類の田中優子教授、理化学研究所革新知能統合研究センターの荒井ひろみユニットリーダー、東京学芸大学の犬塚美輪教授、名古屋大学大学院情報学研究科の久木田水生准教授、大正大学の井関龍太准教授、東北大学言語AI研究センターの乾健太郎教授、東北大学大学院情報科学研究科髙橋容市研究員の研究グループは、誤情報を信じる人に訂正情報を伝えるための効果的な介入方法を明らかにしました。
多くのファクトチェック情報はオンライン経由で提供されており、誤情報の訂正をユーザーに伝えるためには、誤情報を信じている人がその記事をクリックして読む必要があります。本研究グループが実施した先行研究(注2)では、43%の参加者に「信じている誤情報に対する訂正記事」へのクリックを選択的に避ける傾向があることが示されました。
今回の研究では、この「ファクト回避群」に対し、訂正情報のクリックだけでなく、訂正記事を読み自身の誤信念を吟味することの両方を促すための介入方法を検証しました。その結果、誘導する形でクリック数だけを増やしても誤信念の更新には効果がなく、自身のクリック行動の振り返りを促すメタ認知的介入がクリック行動と誤信念の更新の両方に効果的であることが示されました。
この成果は、2025年4月25日に国際会議論文Proceedings of the 2025 CHI Conference on Human Factors in Computing Systemsに掲載されました。Link:プレスリリース・研究成果